あまのじゃくな私が恋をした

「……あっ‥〜ん」

ゾクッとする背筋に唇が離れ声が漏れた。

「いい声だ…キスはまだまだだがお前の勝ちでいいぜ。少しだけメロメロになりそうだった」

鼻先を軽くデコピンすると頭を撫で微笑む男。

勝ち⁇

うれしいはずなのに納得いかない。

「どこにメロメロ要素があったの⁇」

頭を撫でている手の人差し指が唇に触れる。

「ここだ…お前の唇は柔らかくて俺好みの唇をしていて、つい何度も触れたくなる…ガキのくせにいい声出すしお前の言うメロメロ要素の答えになるだろう⁈」

突然の褒め言葉に頬が熱くなっていく。
すでに、好きだと自覚している男からのセリフが余計に甘く聞こえる。

「クッ、単純な奴」



どこがよ。

唇にある指を払いのけ頬を赤くしたまま男を睨んでも効果がないのか平然としている。

悔しくて…
べーと舌を出した。

何が男のツボに入ったのかお腹を抱え笑い出した。

失礼な奴。

どうしてこんな男好きになっちゃたんだろう⁈

今までの男達と違い、私を翻弄する。

「クックク…大人の女はそんなガキ臭いことしないぞ。えみり、お前俺のこと落とすつもりあるのか⁈」

「もちろんよ」
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