あまのじゃくな私が恋をした
なに⁈ 胸がドキドキする……
どうして私はこんなに緊張してるの⁇
こんなこと始めてなんだけど…
「美雨、こんなところ女の子2人で来るなんてだめじゃないか…変な奴もいるんだから何かあったらどうするんだ」
男の視線は、私を通り越して背後に隠れるようにしている美雨に向いている。
この人は美雨のなに⁇
こんなに真剣に美雨を心配するなんて…
この人が真斗なの⁈
それとも……お兄さん⁈
「子供じゃあるましどれだけ過保護なの⁈」
思わず、彼の気を引きたくて毒を吐く。
すると一瞬、ムッとした男がやっと私を見てくれた。
「美雨じゃなくても女の子がそんな水着を着てたらどんな大人の男だって目がいくんだ。見ているだけなら害はないけどなかにはよからぬことを考える男もいるんだよ。男の力には女の子は勝てないんだから気をつけないとね」
視線が合う。
澄んだ瞳の奥にある鋭く光る眼力に屈伏させられる。
「ここなら大丈夫だから一緒にバーベキューをして楽しもう」
そして、一瞬にして優しい目をした笑顔
に戻ると私達の背を押し輪の中に誘導した。
直接、背に触れる手のひらにドキッと心臓が跳ねた…ような気がした。