あまのじゃくな私が恋をした

「……なんかよう⁈」

「あぁ…」

可愛気のない私に男は近づく。

「なんなの⁇」

スッと体を引き寄せられ男の腕の中へ

瞬間

唇に温かい温もりが感じられ逃げださないように男の手で頭部を固定される。

「……んっ………ぁ……あっ…」

キスされる意味もわからず、舌と舌を絡め熱を持つ唇がジンジンと痺れる。

強く吸われ、甘く啄み…口の中をねっとりと舐めまわす…

大人の男からの濃密なキスは、私を虜にする。

もっと…とねだれば離れる唇が首筋に落ちて這うようにデコルテまでおりてくると…

チクッ

とする強い痛み。

「…ッ」

離れた男を睨めば満足気に笑っていた。

「なんなの⁇」

「約束だったろう⁈」

意味がわからないと首を傾げれば…

「美雨からちゃんと聞き出した褒美と…………俺を焦らした罰だ」

そう言いながら私の唇と…肌につけた赤い痕を指で触れた。

「……」

『ちゃんと聞き出せたら‥ご褒美やるぜ』

海で大也が言った言葉を思い出した。

嬉し恥ずかしさで…さっきまで落ち込んでいたのが嘘のように消えた。

「……罰⁇」

「アザが残ったな…」

「……あっ」
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