あまのじゃくな私が恋をした
攻略不可能⁈…
そっと肌に残る赤い痕を指でなぞる。
まだ、消えない痕は大也の所有印のようでこのままずっと消えなければいいのにと思ってしまう。
ただの罰なのに…
ついた痕が嬉しくて……
いつか消えてしまう痕を記念に残したくて……
鏡越しに写真を撮った。
その写真をプリントアウトしてコルクボードにはってある写真達の仲間に入れてある。
あの日から4日
薄くなる痕に寂しさを感じて、ため息をついてしまった。
「高坂さん…そのため息は何よ」
「えっ…」
「あんなにかっこいい彼氏がいて、愛されてる印がここにあるのに…ため息つかないでよね」
着替えの途中だったのに…鏡に映った薄くなった赤い痕に目が行きあの日を思い出していたみたい。
「まだ、彼氏じゃないです」
「あら、そうなの⁈次の日にそんな痕つけて来るからてっきり……そうじゃないなら今日の合コン強制参加よ」
「えっ…突然過ぎます」
「1人、足りないのよ。先輩を助けると思ってお願い…」
手を合わせられると断れない。
家に帰ってもすることがないし…いつ、連絡があるかわからない男を待っていても悲しくなるだけなら…
「……今回だけですよ」