あまのじゃくな私が恋をした

好き

好き

好き

とキスのたびに私の心が叫ぶ。響く音も好きと叫んでいるみたい。

視線の高さが同じになり、大也の首に手を回し男を見れば、私に欲情してくれているのではと勘違いしてしまうほど、熱を孕んだ瞳がそこにあった。

嬉しくて…キスの合間に
「だ…いや」
と名前を呼べば……
「えみり…」
と甘い声で呼んでくれる。

それだけで、私の体は戦慄く。
大也の声に感じるなんて…どれだけ心も体もこの男を求めているのか⁈

トントン
ドアをノックする音に離れる唇。

「チッ…」

と舌打ちしスカートの中の手が離れていくとその手は、服の襟刳に指を入れ赤い痕さがしている。

「…薄くなったな」

そう言った男は、今度は首筋に唇を落としチクッと吸いつき痕を残すと離れていく。

触れた唇の感触がなくなり寂しさを感じたまま裾を直すと男が私を抱き上げ台の上から降ろしてくれる。

そして…
私の唇のまわりを指でなぞり自分の唇を指で拭う男。

「外で待ってるから化粧直してこいよ…」

ただ、コクンと頷き男が出て行った後しゃがみこんでしまった。

もう…いっそのこと負けを認めてしまおうか⁈

私の心を乱して翻弄する男に太刀打ちできない。

こんなに好きになってしまったのに…
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