あまのじゃくな私が恋をした

大也を挟んで悠ちゃんさんと会話を始めた。

「いつから見てたんですか?」

「…うーん、最初からかな⁈気づいたのは大也が先だけど……ここから店の中全体が見渡せるんだよ」

「……本当ですね」

ちょうど私がいた場所も…

そこへマスターがビールを出してくれたので、疑問をぶつけた。

「それで、2人で飲んでたんですか?」

「うん、大也が大事な話があるって言うから彼女とのデート後回しにしてここにいるわけ…それなのに、呼び出した張本人が途中から消えるから帰ろうかとしたら面白い物見れたし帰らなくて正解だったよ」

全てを見透かしてるようにクスッと笑う悠ちゃんさん。

その張本人にトイレの中でキスされてたなんて言えないから笑ってごまかす。

「で、お前どこ行ってたの?」

意地悪な質問に大也がキレる。

「トイレだよ」

「ふーん…トイレで何してきたんだか⁈」

私の首筋を見てニヤッと笑いながら悠ちゃんさんは大也を見る。

やっぱり、お見通しなのね…

「……」

染まる私の頬を大也の手のひらが触れて
さらに頬が熱くなる。

「お前はいちいち、反応するな」

言葉は乱暴なのに…触れる手のひらは優しい。
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