あまのじゃくな私が恋をした
「さて、俺も愛しの彼女が待ってるし帰るかな…おじゃまみたいだし…」
悠ちゃんさんが立ち上がる。
「はぁっ、まだ真斗の気持ち聞いてないぞ⁈」
「…シスコンが……真斗だって考えてるんだ。当人同士の事に口出しするなよ」
「あいつ、結婚考えてる女いるんだろうが⁈」
「あっ、それね。真斗の思い人は3年前からただ1人だよ。意気地のないあいつがやっと本気になったんだから邪魔するなよな」
「………」
穏やかな口調で意味深な言葉を残して帰っていく悠ちゃんさん。
納得いかない表情の大也だけど、何かを感じたのかそれ以上は言わなかった。
3年前から⁈
真斗さんの思い人は1人⁈
やっと本気になった⁈…
思い当たることが次々と頭の中を巡っていく。
美雨と真斗さんの出会いは3年前…
ずっと、友達関係だった関係があの日から変わった。
そう、理由はわからないけど…美雨にキスしたあの日から…真斗の態度が変わったと美雨は言っていた。
美雨は3年もの間、会えなくなるぐらいなら友達のままでいいと好きな気持ちを隠してきた。
私の考えが間違っていないなら、美雨と真斗は両思いであってほしいと願う。