あまのじゃくな私が恋をした
急に立ち止まり言い合いが始まった。
「バカ⁈なんでバカ呼ばわりされないといけないのよ」
「そんなもん、下心あるに決まってるだろう」
「わかってるわよ」
イライラして頭をかきだす大也。
「…わかってるだ⁈……海での俺の忠告忘れたのか?」
「……」
「男の力には女は勝てないんだ。無理やりやられたらどうするんだ」
「……合意ならいいんじゃない」
私の一言で大也の目に怒りに溢れた。
「……ッ…痛いってば。離してよ」
繋いでいた手のひらから手首を掴まれて引っ張られて歩いていく。
手を引いても、力強く掴まれた手首は解けない。
「なんなの…大也さんに迷惑かけてないじゃない」
叫んでも、返事もなく見える背中は怒っているようだった。
どんどん歩いて私の住むコーポ前
階段を登り部屋の前まで来ると顎で鍵を開けるように促す男。
訳も分からず、もたもたと鍵をカバンから取り出すと痺れを切らした大也に鍵を奪われ、私の代わりに男が鍵を開けた。
瞬間…
部屋の中に放り込まれるように腕を引かれ前のめりになる。
振り向けば、男が鍵をガチャンと閉めて入ってきた。
「なんなの?」
「わかんない奴にはお仕置きだ」