あまのじゃくな私が恋をした
少し、ガッカリしている俺
「…じゃあ、そこの野菜全部切ってよ」
「えっ…これ全部ですか⁈」
「手伝う気がないなら手伝ってくれなくていいよ」
冷たく突き放した。
それなのに……
「手伝います」
人参の皮をむき始めた女
俺の知ってる女達なら…見かけと違う俺から逃げ出すのにこの女は居座る。
おもしろい奴…
次々と文句も言わず野菜を切ってくれた彼女に自然と感謝の言葉が出ていた。
ただ、野菜を切っただけだと謙遜する彼女の向こうに美雨の姿を見つけ
「美雨も君ぐらい手伝ってくれたらいいんだけど…」
と、俺なりに褒めたつもりだった。
突然
悠が重大発表をすると言い出した。
もちろん、その内容を俺と真斗は知っていた。
久しぶり会う友人達も、悠と彼女が長い付き合いなのを知っているから結婚発表をとても喜んでいた。
その間に美雨と一緒にいた真斗が美雨の手を掴みどこかへ行ってしまう。
その後ろ姿を追いかけるつもりはないが
なぜ
手を繋ぐ⁈
2人は知り合いなのか?
美雨が現れた瞬間、真斗の様子が変だった。
疑問だらけだ。
「大也…シスコンもほどほどにしないと美雨に嫌われるぞ」