あまのじゃくな私が恋をした
虚ろな彼女の指先がなぜか俺の唇に触れた。
煽るのは一人前なのか⁈
彼女の視線を捉え指先にチュッとキスをする。
その途端、彼女の体が反応する。
無意識なのに…俺を誘惑する小悪魔め。
「気が変わった…どちらが先に落ちるか勝負しようぜ。まさか、自信ないとか言わないよな⁈」
お前を落とすつもりだったが…
心底お前に堕ちるのも悪くないかもしれない。
宣言する彼女に俺は笑みがこぼれた。
お前の全てが俺に堕ちるか⁈
すでにお前に堕ちている俺が骨の髄までお前に堕ちるのか⁈
どちらが先に堕ちていくか勝負だ。
戻るとまるで見ていたようにニコニコしている悠を無視すると彼女に近寄り何か囁いている。
そして彼女はなぜか赤面してしていて、
悠は彼女の頭をなでている。
わざと挑発してくる悠にイラつく。
「俺…大也に睨まれてる」
と楽しそうに俺を見て笑っているが、今はお前の挑発にのっている場合じゃない。
やっと帰ってきた美雨と真斗は、手を繋いで2人して頬が緩んでいる……
何かあったのは間違いない。
俺の大事な妹に手を出したのか⁈…
高校時代のお前を知っているからか、2人を祝福してやれない。