あまのじゃくな私が恋をした
落ち着かない男が作った焼きそばは、散々なものだった。
ここまで不味く作れるぐらい、彼の気持ちは上の空だったってことよね。
私に見向きもしない男なんて…
心の中でべーと舌を出してざまーみろって思ってる私って……変よ。
どうして、この男は妹の美雨ばかり気にするの⁇
私に興味ないわけ⁇
ありえない…//
私に靡かない男なんていらない。
そう思って輪の中から抜け出て少し歩けば…
「ねぇ君、1人⁇ かわいいね」
ほら…世の男達は声をかけてくる。
「友達捜してて…『ごめんね。この子、俺のだから…』」
誰が⁇
俺のだからなの⁈
私の肩に手をかけ、男達に微笑む大也。
でも、その笑顔はどこか怖くて…男達は
ちぇっと舌打ちして消えていってしまった。
邪魔しないでくれる⁈
肩を振り払い男から離れるのに…私の後をついてくる。
「どうしてついてくるんですか⁈」
「そんな格好の君が1人でどこに行くつもり⁇」
そんなの決まってるじゃない。
ナンパされに行くのよ。
そう言いたいのに…大也が心配そうに声をかけてくれて、心のどこかで嬉しくて
……
「……更衣室から服を取ってこようかと…」