あまのじゃくな私が恋をした
女の子達は、男の毒舌に気にもとめず笑顔でいる。
あんた達、大丈夫⁈
この男…あんた達をサラッとバカにしたのよ。
わかってる⁈
私の冷ややかな視線をスルリと笑顔でかわし、肩に腕を回して歩き出す。
少し離れた人が少ない場所まで来ると
「手、いい加減離してくれますか⁈」
「……俺はいいけど、君は少し期待してたんじゃないの⁈」
「何を⁇」
「こんなこと……」
「あっ……」
男は、あっという間に私を腕の中に捉え
顎をグイッと指先で持ち上げると近づいてくる唇にドキッとする。
やっぱり、この男も興味ないふりしてそこら辺の男達と一緒だったわね…
別にキスぐらいいいか…
瞼を閉じるとゆっくりと男の気配が近づく。
それなのに…触れない唇。
何してるの⁇
そっと薄目で見ると
唇が触れそうで触れない距離
寸止め…
「期待した⁈」
男は、フッと笑って離れて行った。
はい⁇
何度も瞬きをして男を見た。
「さっきからいろいろアピールしてきてたけど、俺、ガキには興味ないから…諦めろ」
爽やか好青年が豹変する。
「なんですって…私のどこがガキなのよ。だいたい、あんたなんかにアピールしてないし…ふん」