敏腕社長に拾われました。

次に目に入ったのは、立っている男性の後ろにあるデスクに座っている女性。

もしかして、この人。虎之助が言っていた先輩の女性秘書?

先輩の女性秘書と言えばドラマの中で……なんて、意地悪そうな人を想像していたんだけど。

その女性は私のことを見つけるとにっこり微笑んだりするもんだから、『勝手な想像をしててごめんなさい!』と心の中で謝罪。

清楚で優しそうな人にホッと一安心していると、今度は一番奥のデスクの女の子が私にそばに駆け寄ってきた。

「あれ? 社長、この人誰ですか?」

あからさまに変なモノでも見るような目で、私を上から下まで舐めるように見ると、顔をグッと近づけた。

「あなた何歳?」

いきなり何なのよ!

「二十五歳ですけど……」

「ふ~ん。私と同じくらいかと思ったけど、結構おばさん」

「お、おばさんっ!?」

おばさんなんて、初めて言われた……。

じゃあアンタは何歳なのよ!って言い返したいところだけど、ここは怒りを抑えて抑えて。ふぅ~と深呼吸すると、気持ちを落ち着かせる。



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