敏腕社長に拾われました。

「お前、何顔を赤くしてるんだよ」

「え? いや、あの、これは自然現象というか自分の意思とは関係ないというか……」

全然好きな相手じゃなくても男の人と至近距離に近づけば、誰だって何らかの反応しちゃうじゃない? 違う?

「そうやって、社長を落としたのか? 下品な女だよな。いいか、よく聞け。俺は女が好きなの。お前みたいなチンケな女じゃなくて、綺麗で可愛い従順そうなバカ女。そうだな、強いていうなら……受付の瞳ちゃんとか」

なんか、やな奴。顔を赤くして損した。

私がチンケで下品な女っていうのは、ムカつくけどちょっと置いといて。

受付の瞳ちゃんといえば、敵対の目を私に向けたあの子のことだよね? 彼女を庇うわけじゃないけれど、綺麗で可愛くてなんでもゆうことを聞いてくれちゃう、従順な女なら誰でもいいわけ? それって女を馬鹿にしてない?

そりゃね、見た目も大事かもしれない。でも相手のことを、自分の思い通りにするっていうのはいかがなものか。しかもバカ女なんて。許せない。



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