Doll
あんた…誰?
……………
「おーい……」
………………
「お兄さぁん?」
……なんだ?煩い……
「心で話さないで口で喋って貰えません−?」
……心って………読むなよ……
「貴方心の声漏れまくってるんですもん……てかそろそろ起きて下さい!!!!!」
ガッ
「痛ッ!!!頭蹴んなぁ!!!!……なッ!!??」
目を開けた瞬間俺は驚愕した
何故なら、部屋…いや廊下が血一つない綺麗なものになっていたからだ
「な…何が……」
「連れて行かれたんですよ人形に」
「は?連れて行かれた?人形???てかあんた誰だよ」
先程までナチュラルに話していたが、よく見れば明らかに怪しい
十字が大量に入ったタキシード、頭に乗せているだけのシルクハット、最後に奴が一発で変人と分かるのが顔を半分以上隠し、左目しか開いてない趣味の悪い仮面のせいだろう
「え?変人不法侵入者?」
「不法侵入は認めますが変人ではないです、あと趣味の悪い仮面ですみませんでしたね」
「じゃああんた何?」
「フールと申します、"上司"の命令で貴方に手を貸しに来ました」
なんか今、上司強調しなかったか?
「え?愚者??」
「漢字読みしないでいただけますか?それでも本名なので」
「………傍観者がなんのよう?」
俺のその言葉で、一瞬空気が冷えた気がした
「俺の無くした物を取り戻しに来ただけです……それよりいいんですか?それ」
……それ?
「ああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」