3つの視線、1つの物語
「えっと…改めて…姫様、何か御用ですか?」
ワイシャツのボタンをきっちり留めたノア
それを確認して再びノアに近付く
「………」
ノアとの距離は1メートル
久々にこんなに近くに男の人を感じる…
怖い…怖いけど…
「姫様…無理しないでいいですよ?」
優しく、悟ってくれる声…
ピクリと体が反応する
「俺は姫様を怖がらせる為に来たんじゃない。姫様を守るために来たんです。だから、無理しないでください?」
その言葉に少し体の力が抜けた
ノアは私を分かってくれている
私は顔を上げた
「ごめんなさい…私、ノアのこと…叩いちゃった…ノア、助けてくれたのに…」
まだ、体は震えてる
けど…言えた