3つの視線、1つの物語
「大丈夫ですよ?そんなに痛く無かったですし」
嘘だ、頬真っ赤だったもん
でも、ノアは私の為に嘘を吐いている
「でも…少しだけ怒りますね?」
「え?」
急にノアの雰囲気がピリッとなる
「なんで木に登ったりなんかしたんですか?危ないでしょう?!」
ノアが怒った…
「だって…レディナが降りれなく…」
「レディナは猫です。降りれます。たとえ、落ちたとしても猫は運動神経抜群です。ちゃんと着地できます」
言い訳したら遮られた…
しかも、正論で…
「うっ…はい…」
言い返す言葉もありません…
黙っていると、今度は優しくノアは言った
「もっと頼ってください。姫様が怪我したら俺が悲しくなります。王様だって悲しみます。…だから、頼ってください。姫様が呼べば、俺は姫様の元に駆けつけますから」
「うん…わかった。ありがとう、ノア」
ノアは本当に私を思って怒ってくれたんだ
"もっと頼ってください"
うん、ノアだったら…頼れる