3つの視線、1つの物語

「仕方がないですね。姫様は、何を欲しているんですか?」


私が頭を悩ませているとノアが言った

…何を欲してる?
その問いに答える


「……こ、言葉」


恥ずかしいから、一瞬言おうか迷ったが言った
そして、ジッとノアを見つめる

通じた?

すると、ノアが分かったように頷いた



「…好きですよ、姫様」

「?!」


欲しかった言葉だった


「俺は…貴女を愛してます」


私は、私を愛してくれる人が欲しかった


私の前で少し照れ臭そうに笑うノア
それに、私も釣られて照れる


顔が熱くなるのを隠すように、そっとノアに寄り添う


すると、ノアがゆっくり抱き締めてくれた
それに答えるように、私もノアに抱き着く


心臓が凄い速さで鳴っている
その音はノアと同じ速さで鳴っていた


ノアも私と同じくらいドキドキしてくれている
その事が凄く嬉しくて幸せだった


< 166 / 324 >

この作品をシェア

pagetop