3つの視線、1つの物語
「仕方がないですね。姫様は、何を欲しているんですか?」
私が頭を悩ませているとノアが言った
…何を欲してる?
その問いに答える
「……こ、言葉」
恥ずかしいから、一瞬言おうか迷ったが言った
そして、ジッとノアを見つめる
通じた?
すると、ノアが分かったように頷いた
「…好きですよ、姫様」
「?!」
欲しかった言葉だった
「俺は…貴女を愛してます」
私は、私を愛してくれる人が欲しかった
私の前で少し照れ臭そうに笑うノア
それに、私も釣られて照れる
顔が熱くなるのを隠すように、そっとノアに寄り添う
すると、ノアがゆっくり抱き締めてくれた
それに答えるように、私もノアに抱き着く
心臓が凄い速さで鳴っている
その音はノアと同じ速さで鳴っていた
ノアも私と同じくらいドキドキしてくれている
その事が凄く嬉しくて幸せだった