3つの視線、1つの物語

「…レディナ、随分とノアに従順だね。…コンフィーヌの息が掛かってるかもしれないのに」


ノアが出て行った部屋でメルンが呟く

うん、私も最初は疑ったけど…
多分、コンフィーヌの手駒じゃなさそうだよ?

だって、ノア…
コンフィーヌに暇さえあれば虐められてるし…

この3日間…
ノアはまるでコンフィーヌの雑用係みたいな事をやらされている

メルンの護衛が必要無くなった瞬間、測ったようにコンフィーヌが現れて顎で使ってる

庭の草むしり
大広間の窓拭き
ロビーの床磨き
コンフィーヌの書類整理&処理
などなど…
まるで意地悪な継母にイジメられるシンデレラみたいだった


「ニァー、ニャォン」


早くご飯を食べに行こう
ノアに懐く私に複雑な表情を浮かべるメルンを促す


「わかったわよ。行くから。でも…レディナが懐くくらいだから…ノアは大丈夫なのかな…?うーん…わからない」


そう呟きながら、メルンはゆっくり歩き出した

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