3つの視線、1つの物語
カランっ
木製の剣が落ちた音
「痛ってぇぇええ」
「本物の剣だったら、エトの手首無くなってるよ?」
エトの叫びが響く
俺はエトの手首を木製の剣で叩いて、エトの持つ剣を叩き落とした
「あー…もう、いいや。ノアに勝てる気しない。ノア、休憩しよ」
休憩って…
まだ始めて30分も経ってないよ?
まぁ、いっか…
俺は座り込んだエトの隣に座る
「…ノア、お見合い写真来てたでしょ?」
「あー…うん」
エトが俺の様子を気にしながら聞いてきた
「良い子居た?」
「良い子って言ってもね…全員、エトが断った子達だったからね。俺も断ったよ」
エトが駄目だったから、次は俺みたいな…
なんか、滑り止めみたいな?
補欠みたいな?
そんな思惑が見え見えで嫌になる