3つの視線、1つの物語
「はい、どーぞ。姫様」
採りたての桃を姫様に渡す
すると、すぐにクンクンと匂いを嗅ぐ姫様
「いい匂い…」
嬉しそうに笑う
でも、その顔はすぐに不安そうな顔に変わる
どうしたんだろう?
「…あの、ノア?」
「何ですか?」
言いにくそうに切り出す姫様
俺は姫様の言葉を聞く体制に入る
「今日…お父様は他国に出張なの」
「えぇ、知ってますよ?」
確かに、今日から王様は他国に出張だ
でも、それがどうかしたのかな?
まさか、お父様が居ないと寂しいのかな?
でも、王様の出張2日間だけだよ?
姫様が少し黙る
俺は急かさず姫様の言葉を待つ