3つの視線、1つの物語
ドサッ
カランっ
思わず目を瞑ってしまった
人が落ちた音
折れた木の枝が落ちた音が聞こえた
メルンが落ちた…
わ、私を助けようとして…
「いっ……ぅ…」
え?
メルンの声じゃない
「姫様…お怪我はありませんか?」
その声に、驚いて木の下を見ると
メルンの下敷きになるノアの姿があった
ノアがメルンを受け止めてくれたらしい
よ、よかったー…
「ぁ…ぁ…」
あ、よくないかも…
メルンは男の人に触られるの駄目だった
「いやぁーー!!」
「ぇ…姫様っ?!」
バチーンっ
桃の木のある庭に乾いた音が響いた