3つの視線、1つの物語
「ノアっ!!」
「?!」
姫様が山の中から出て来た
そして、この前同様…俺の胸に飛び込んできた
「ノア、ごめんなさい!私のせいで風邪引かせちゃって…本当にごめんなさい!」
「大丈夫です。姫様のせいじゃ無いですから…それより、姫様…大丈夫なんですか?」
「何が?」
何がって…
「俺に抱きついて…怖くないんですか?」
最近、急激に距離が短くなってる
気付けばゼロだし
もう、男性恐怖症克服したのかな?
「ノアは大丈夫。怖くない。でも…ノア以外は無理。怖い。嫌だ」
「…そうですか」
俺だけは大丈夫なんだ
"俺だけ…"
その言葉にドキっとする
平常心だ…
落ち着け俺…
せっかく姫様が心を開きかけてるんだ
男の下心で傷付いた姫様
下心がバレたらまた逃げてしまう