3つの視線、1つの物語

「……姫様?」


急に姫様がフリーズした
あれ?姫様…顔、赤い
っと思ったら、凄い速さでフワフワのバリケードに潜ってしまった


「え、ちょっと…姫様?!俺、何かしました?!出てきて下さいよ!」


なんで逆戻り?!
俺、なんか姫様の気に触ること言った?


「ノア。お腹空いた。ご飯食べたい」

「え?」


モコモコの山の中から姫様の声がした


「丸一日籠ってたから…ご飯食べてないの。ご飯…欲しい」


あー…本気で籠ってたんだ
俺が1日で風邪を完治させなかったらどうしてたんだろう?


「ノアがご飯持ってきてくれる間に、このバリケードも片付けておくから…ご飯」

「わかりました。何か持ってきます」


姫様の行動がよく分からないが、ご飯と引き換えに出て来てくれるらしい
なので、俺は大人しく厨房へと向かった


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