3つの視線、1つの物語

姫様がバリケードを撤退してから数日が経った
そんな姫様が今日もため息を吐いていた


「はぁ…嫌だな…出たくないな…行きたくないな…風邪を引きたい」


最近の姫様は、近々行われるイベントに憂鬱になっている

そのイベントが…舞踏会


「仕方がないですよ。ここの国が開催する舞踏会ですから、この国の姫様が出なくては格好がつきません」


まぁ、嫌だよね
だって姫様、男性恐怖症克服出来てないもの

しかし、今回開催される場所がここの国の為…姫様は強制参加だ


「でも…舞踏会だよ?!男の人いっぱいだよ?!」


そりゃ、舞踏会だもん
男の人いっぱい居るに決まってる


「それどころか、ダンスのお誘い、求婚なんかもありそうですよね」


ありそう…じゃなくて、あるだろうね確実に


「ぜーったいヤダー!!」


姫様が絶叫する
ダンスは男女ペアだもんね
そりゃ、男性恐怖症の姫様が好む訳がない


「ってゆうか、姫様ってダンス踊れるんですか?」


なんとなく疑問に思った
男性恐怖症の姫様…
ダンスの練習してるの見たことない


「…………たぶん」


姫様の言葉に自信の色は無い
あぁ、だよね





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