3つの視線、1つの物語
状況処理が追いつかない様子の姫様
固まってしまった姫様に手を差し出す
「一曲…お願いできますか?」
姫様の手が俺の手に重なる
「はい、喜んで」
涙に濡れてた顔が笑顔に変わった
それを見てから、手を引きダンスの輪に入っていく
「ちゃんと覚えてますか?」
姫様の手を取り、そっと背に腕を回しながら尋ねる
すると、下からチラリと見上げて姫様は悪戯っ子みたいな顔をした
「間違えたら、ノアがフォローしてくれるでしょ?」
「えぇ、もちろんです」
ちょっと意地悪な笑みを浮かべる姫様に、笑顔で断言すると再び笑顔を見せてくれた
この笑顔が好き
この笑顔を守りたい
そう強く思った