3つの視線、1つの物語
昼頃…
仕事を早めに切り上げ城内にある闘技場に来ていた
あの後、ノアと手合わせの約束をしたのだ
所詮、王子…護られる側の人間が私に敵う訳がない
これでも、若い頃は凄腕の剣士だった
腕に自信がある
だからこそ、手合わせを申し出たのだ
「すみません。遅くなりました」
そう言って現れたノアの後ろには、怒ったような顔をした姫様がいた
俺の目線の先に気付いたノアが苦笑いした
「どーしても付いて来ると言って…すみません」
「いや…構わない」
むしろ、大歓迎だった
姫様に良いところを見せるチャンスだ
更に、ノアの惨めな姿を見せるチャンスでもある
さぁ、日頃の鬱憤を晴らそう