3つの視線、1つの物語

「ぁ…ぁぁ…」


黒猫がノアを凝視して震えている
怖がってる?…違う。感動してる?


「旦那様ぁぁぁああ!!」

「うわぁ?!」


黒猫が急にノアに飛び付いた
…旦那様?え、ノアが?


「旦那様の姿が急に城の中から消えて、寂しくて探してたんですよー?!」


ニャーニャー鳴きつく黒猫にノア困惑気味
しかし、すぐに何かを悟ったノアは黒猫の脇を持ち上げてお腹を確認した

すると…


「お腹の白い十字…おまえ、クロワなのか?」

「そーです!クロワです!!旦那様会いたかったですー!」


言葉が通じないノアに対して必死に肯定する黒猫…クロワ

ノアにスリスリして、喉をゴロゴロ鳴らすクロワ

その光景に、私とメルンは訳が分からずキョトンとしていた

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