3つの視線、1つの物語

「えっと…改めて…姫様、何か御用ですか?」


ワイシャツのボタンをきっちり留めたノア
メルンもソレを確認して再びノアに近付いた


「………」


しかし、近付いたメルンは俯いて固まった
たぶん、逃げたい気持ちを抑えてる

メルンが男性恐怖症になってから、男の人にこんなに近付いた事ってない


「姫様…無理しないでいいですよ?」


固まるメルンにノアは優しく言う


「俺は姫様を怖がらせる為に来たんじゃない。姫様を守るために来たんです。だから、無理しないでください?」


その言葉にメルンはやっと顔を上げた
そして、口を開いた


「ごめんなさい…私、ノアのこと…叩いちゃった…ノア、助けてくれたのに…」


メルンの体が震えている
でも…言えて良かったね

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