3つの視線、1つの物語

「大丈夫ですよ?そんなに痛く無かったですし」


コレは、たぶんノアの優しい嘘
実際、ノアの頬は暫く赤かったもの
痛くない訳ない


「でも…少しだけ怒りますね?」

「え?」


ノアの目に少しの怒りがこもる


「なんで木に登ったりなんかしたんですか?危ないでしょう?!」

「だって…レディナが降りれなく…」

「レディナは猫です。降りれます。たとえ、落ちたとしても猫は運動神経抜群です。ちゃんと着地できます」

「うっ…はい…」


メルンが縮こまる
で、泣きそうになる

でも、今度はノアが優しい口調で言った


「もっと頼ってください。姫様が怪我したら俺が悲しくなります。王様だって悲しみます。…だから、頼ってください。姫様が呼べば、俺は姫様の元に駆けつけますから」

「うん…わかった。ありがとう、ノア」


ノアの言葉にメルンが微笑んだ
ノアの言葉がメルンに届いたんだ…


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