3つの視線、1つの物語

ノアとお父様を乗せた馬車が見えなくなる
すると、どこからともなくコンフィーヌが現れた

近づいてくる…
私を見ている…


「姫さー「姫様ー!!」


コンフィーヌの呼び掛けに重なるように、女の子の声が私を呼んだ

そして、声の主はコンフィーヌを颯爽を抜き去って私の前に立った


「姫様!お部屋に戻りましょう?ネージュさんがスコーンを焼いてくれました!」


キラキラの瞳で私を見てくるのはラル
コンフィーヌを遮った張本人


「ティータイムしましょ?あ…もしかして、スコーンお嫌いですか?」


私が無反応だからなのか、ラルがシュンとした
その姿が可愛くて、思わず笑う


「ふふっ…ありがとう。スコーン、好きだよ。一緒にティータイムしよ」

「はいっ!!」


本当、元気な子だなぁ

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