3つの視線、1つの物語

小さなテーブルにネージュが焼いたスコーンが乗っている

それと共に美味しい紅茶をラルと飲む
歳も近いので自然と女子会みたいな気分になる


「 ラルは…好きな人とかいるの?」


女子トークと言えば恋話
私が話を振るとラルの動きがピタっと止まった


「…えっと…その…はい」


モジモジするラル
頬を染めてとても可愛い仕草だ


「確かにカッコいいものね。彼」

「え?…ひ、姫様?私の好きな人…分かるんですか?」


分かるってゆうか…
よく城内で見掛けたんだよね

ラルが楽しそうにしてる時、大抵彼の姿がある
たぶん…いや、絶対その彼がラルの想い人だ


「騎士見習いの…」

「いやぁぁああ!姫様!ダメです!聞こえちゃいます!!」


あ、そっか
護衛に着いてるのはライラだけじゃないんだもんね

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