3つの視線、1つの物語

「行方知れず…だそうです」

「っ!!!」


目の前が真っ暗になった
足に力が入らなくなりその場で崩れ落ちた


「姫様っ…」


ラルが私を支えてくれる
体がフルフルと震える


「姫様!大丈夫です!大丈夫ですよ!!」


ラルが震える私を抱きしめた
ぎゅっと力強く抱き締めてくれる


「死んだって言ってる訳じゃないんです!ノアさんは帰ってきます!大丈夫です!!」

「…ん」


そうだよね
ノアは帰ってくるよね

そう自分に言い聞かせる
そして、少しだけ平常心を取り戻した時だった


「コンフィーヌ様っ…ここから先は…」


扉の向こうからライラの声が聞こえた
ライラが必死に侵入を拒んでいるらしい

でも、それも虚しく扉が開いた

< 310 / 324 >

この作品をシェア

pagetop