3つの視線、1つの物語

「仕方がないですね。姫様は、何を欲しているんですか?」

「……こ、言葉」


メルンが頬を染めて言う
そして、ジッとノアを見つめる

すると、ノアは何かを理解したように頷いた


「…好きですよ、姫様」

「?!」


メルンが目を見開く
どうやら、ノアはメルンが欲しい言葉を当てたらしい


「俺は…貴女を愛してます」


優しく笑って
でも、少し照れ臭そうにノアは言った


メルンが欲しかったモノ
それは、"私"を愛してくれる人

メルンはやっと手に入れたんだ



誰も居ない廊下で、そっと抱き合う2人
幸せな空間が広がる


そんな2人の空間を邪魔しちゃダメだね
私は、そーっとその場を後にした


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