贈り物は首輪です
犬猫はもちろん、人間にだって使うんです
現在、彼氏の家にお呼ばれ中。
そして贈り物と称して私の手に乗せられたものに絶句。
というよりも「またか」と呆れるような感心するような、半ば複雑な気持ちが内心を占めていた。
「せっかくの2人の記念日だから、きみに何か贈り物をしたくて」
「ワァーウレシイデスーアリガトウゴザイマスー」
「そんなに喜んでくれるなんて嬉しいよ」
「………」
この人はこんなあからさまな私の棒読みの台詞さえ真に受けるのだ。
いつものことながら、その耳は何か病気を持っているのではないかと疑わずにはいられない。
「上嗣(かみつぐ)さん上嗣さん」
「なんだいリンちゃん」
ニッコリと私に向けられた笑顔は爽やかなことこの上ない。
こんな状況じゃなかったら見惚れているだろう。
その爽やかスマイルで幾多の女性たちを落としてきたことか。
両の手はもとより足の指の数をあわせても足りないぐらいだ。
最も、ちゃんと調べたわけではないが。
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