贈り物は首輪です




よく大型犬とかってこういうのするじゃないか。


犬扱いされたんだから、私だってしてもいいと思う。


……只今絶賛後悔中だが。



「そっかぁ、ご主人様か。なんかいい響きだね」



私が乗ったままにも関わらず、よっと軽い感じで上嗣さんは体を起こした。


だけではなく、いつの間にか形勢逆転。


私が上嗣さんの下に組敷かれて見下ろされる。



な、なんか妖しい雰囲気……


危険を感じてももはや出遅れで、何かを言う前に唇を塞がれた。


上嗣さんのされるがままに翻弄され、すぐに息が上がってしまう。



「か、み…つぐ、さ、」


「違うでしょう?リンちゃん」



唇が、頬から耳に滑るように移動して、私の中に低い声を響き渡らせる。


ゾクゾクと体が反応してしまうほどに低く、淫靡な声。



「ご主人様、でしょ?」



私を意識を摘み取り、支配してしまう絶対的な言葉。


いつもいつも、私はこれに抗う術を知らなくて。



「ご、しゅじん、さま……」



どこか夢現(ゆめうつつ)に口を開くと、さっきまでの爽やかさとは180度違い、艶かしい表情で微笑んだ。



「よくできました」






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