贈り物は首輪です




「付かぬことをお聞きしますが、今私の手のひらにあるのは何に見えますか」


「ん? 可笑しなことを聞くんだね。リンちゃんの見たままのものだと思うけど」


「そうですか。じゃあ言いますけど、私の見解ではこれは人間が付けるものではなく犬や猫に付けるものだと思うのですが」


「大丈夫。リンちゃんの首は細いから余裕で入るよ」



そういう問題じゃねぇよ。


思わず吐きそうになった暴言と、手の中のものを投げつけたい衝動を抑えた自分を褒めてあげたい。


ぶちまけられない溜まった感情を逃がすために1つ息を吐く。


俗に言うところの深呼吸だ。


心を落ちつけるための行動だったが、上嗣さんにはそう見えなかったようで。


途端に眉を下げて不安そうな表情になる。



「ごめんね。やっぱり細い方がよかったかな?

それとも色が気に入らなかった?」


「………」



何その心配検討外れー、と馬鹿にして笑いたい。






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