贈り物は首輪です
彼氏に向けるにはあまりにも冷めた目を向けてみるものの、残念ながら上嗣さんには通用しないようで。
「でもねリンちゃん、僕の意見も聞いてくれる?」
いえ遠慮します、と私が言う前に上嗣さんはどこか必死な面持ちで言葉を紡ぐ。
「確かにリンちゃんの首は細いし、それに合わせて細い方にしようかなと最初は思ったんだ。
でも妄そ……想像してみてね、細いのもいいけど敢えて太い方を選ぶことによってアンバランスな危うさを演出するというのかな。
そう!所謂『ギャップ』というものを表現したかったんだよ。
僕はもちろんのこと人はギャップに弱いらしいからね。
あぁ、例えギャップがなくても僕のリンちゃんに対する愛は変わらないから安心してね?
それよりほら、思った通りリンちゃんの細くて白い首にはピッタリだと思わないかい?」
キラキラという効果音がピッタリなその顔に拳を沈めたい。
途中で「妄想」って、「妄想」って言いましたよね?
言い直したけどそこまで言ったら普通気づきますって。