贈り物は首輪です




私の反応がイマイチだったのか、上嗣さんの考えが再び検討違いなところへ。



「それともやっぱり色が問題だったかな?

僕的には白と赤で迷ったんだ。白はリンちゃんのイメージカラーだし、赤は定番な感じがしたから。

デザインも同じものだったから困ってたときに、店員さんが助け船を出してくれてね。

ちょっと値は張るけどってこれを出してくれたんだよ。

ふふ、ほら見て。ここにリンちゃんと僕の名前のイニシャル入れてもらったんだ。

2人の記念日にはとっておきでしょ?」


「記念日が『とっておき』という意見には賛成ですが、その『とっておき』の日に首輪を贈られるとこっちの心境はかなり複雑なものですよ」



いざ口に出すと更にゲンナリとしてしまう。


まさか首輪を貰う日がくるとは想像もしていなかった。


しかもその贈り主が恋人。


これぞ青天の霹靂。


……と言いたいところではあるが、上嗣さんのこのような突飛な行動は実は初めてではない。






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