君が冷たい理由。【完】
「颯太くんてばほとんどクッキー食べちゃったよ。私あんま食べれなかった~」
「クッキー喜んでくれたみたいね。楓にはまたいつでも作ってあげるわよ」
「わーい!やったっ」
洗い物をしている母が急に水を止めた。
「ねえ楓」
そして私の名前を呼ぶ。
「なあに?」
テレビを見ながらお茶を飲んでいた私はん?と振り返る。
「セリザワくんのこと、好きなの?」
「え、ちょ、急に…っ」
なによと冗談で言おうとしたが、その母の目を見て笑顔が消えた。