君が冷たい理由。【完】
「そ、颯太くんは何にしますか?」
「俺はコーヒーでいいや」
「あ、もしかして甘いもの苦手…?」
「あー…まあ少しだけ」
その瞬間ふと思った。
うちにきたあの日、きっと無理して食べてくれたんじゃないのかと。
お母さんの作ったクッキーを。
苦手なことを隠して、
おいしいと食べてくれた。
私の大好物を同じ風に。
「優しいんですね」
その言葉が口から出ていた。
「優しくねーよ別に」