君が冷たい理由。【完】
そう、それは劇の終盤だった。
幕が降りると同時に名前を呼ばれて、みんなの前でキスされたのだ。
そのまま静かに幕が降りると、客席、そしてクラスメイトみんなから悲鳴があがった。
凜はわたし達を見てすごく驚いていたが、終始笑っていた。
そんな私はみんなに合わせる顔がなくその場を逃げてしまった。
「ほーら。この後一緒に回るんでしょ?」
「うん…その予定。さっきメール入ったから」
「陸しか男の連絡先知らなかったのに、いつの間にか…本当成長したわね」
実の親かのようにいいこいいこしてくる凜。