君が冷たい理由。【完】
颯太 Side






楓の父に会い、楓に何もかも目的を知られた俺はひとり屋上に向かった。









俺が楓に近づいた目的。









それはあいつの家族とあいつを苦しめることだった。
俺の家庭を、壊したあの男の家族を。








母が家を出てから親父は倒れ、ずっと入院をしていた。
立ち上がることさえ困難で、いつしか笑わなくなった。

そんな親父を見て思った。







どうして俺だけ親父だけ…
苦しまなきゃいけねぇんだと。

あの男が、いなければ、と。







そして記憶に残っていた“ハルナ”という名前をずっと探し続けてきた。




< 183 / 217 >

この作品をシェア

pagetop