君が冷たい理由。【完】
「じゃ、俺はこれ先生に渡してくるね」
「あ、うん!ありがとう」
「いーえ。気をつけて帰ってね」
「うん…あっ!」
ふっとルートのことを芹沢くんに何も伝えていなかったのを思い出す。
「…あれ」
芹沢くんが伏せていた席を見るとそこにはもう誰もいなかった。
「颯太なら帰ったよ。どうかした?」
芹沢くんを探しているのをわかった太陽くんが私に尋ねる。
「あ、ううん。ルートとか待ち合わせの時間何も伝えてなかったから…」
「あー大丈夫。俺伝えとくから安心して」
「あ、本当?よかった。じゃあバイト遅れちゃうからもう行くね。」
「またね」
太陽くんに手を振り学校を出た。