君が冷たい理由。【完】


「あの…芹沢、くん…」


「なに」




名前を呼ぶと不愛想に返事をする彼。




「あの腕…っ逃げないので離してくれませんかっ…」




勇気を出して言った言葉も、男の子を前にしたからなのか顔が真っ赤になっていくことがわかる。




「あ、あぁわりぃ。って…お前」



照れるようなことなんて一言も言っていないのに顔が真っ赤になっている私がおかしいのか、私の顔をじっと見る。




「な…なんですか…、」




見つめられ、恥ずかしいというか緊張や怖い気持ちでいっぱいになり目を逸らす。




「お前男嫌いなんだっけ」






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