君が冷たい理由。【完】
陸の方に向き返事をする。
「お前、なんもなかったか?」
「…え?なんもって?」
「いや、あいつに何もされなかったかって」
陸がそう聞いた瞬間、頬を撫でられた感触が流れ込んできてぽっと赤くなる。
「…は!?おまえ…っ、」
「な、なんもないよっ!なんも!」
近づいてくる陸から遠ざかり言う。
「いやその反応どうみても…っ、」
「もー陸しつこいわね。楓が何もないって言うんだから何もないのよ」
凜がすっと入ってきて言ってくれる。
「いやでも…っ」
「そんなんじゃ一生彼女できないわよ?」