君が冷たい理由。【完】
その横顔をぼーっと眺めあの時のことを思い出した。
あの後、すみれちゃんが班の人に連れていかれ2人になったあと、
言いかけてた言葉を聞こうとしたが芹沢くんはずっと黙っていた。
だから聞くのをやめたんだ。
「なに?」
はっと我に返ると芹沢くんが私の方を見る。
「あ、いやなんでもないっ…」
無性に恥ずかしくなって材料に目を移す。
その姿にふっと笑うと、私の耳元に口を近づけた。
「ドキドキする?」