君が冷たい理由。【完】
ボソッと耳元で呟かれ、瞬間的に芹沢くんの方に顔を向ける。
「な…っ!」
「反応が新鮮」
「からかって…っ、」
「怒ってないで手、進めろよ。晩飯なしになるぞ。」
芹沢くんは言いながら手を進めている。
私もそれを見て何も言わずに切り始めた。
「ねえ芹沢くん」
「なに?」
「さっき言おうとしてたことってなに…?」
今なら聞けると思い、勇気を出して聞いてみた。
「あー…、別になんでもねぇよ」
少し険しい顔をし、私に言った。
「まだわかんなくていいよ。お前は」