君が冷たい理由。【完】
その瞬間、芹沢くんに手を握られ部屋を出る。
――あの時と同じだ。
腕を掴まれ指名されたときと。
だけど今は腕じゃなく、しっかりと手が握られていた。
…どうしてこんなにドキドキするんだろう。
「あの…どこへっ…?」
私の質問も無視して階段を降りていく。
エレベーターを使わないのはきっと先生にバレてしまうからだ。
そしてようやくたどり着いたのか、彼はがちゃっと目の前のドアを開ける。
ドアから1歩踏み出すとそこには凄くきれいな星空が私たちを待っていた。
「わあ…っ!きれい…!」