君が冷たい理由。【完】
「ううん。何も」
「まあそうよね朝からバタバタだし」
「うん、そうなんだよね」
「それよりあんたの話聞いてると
芹沢がそんなに優しいなんて思ってもみなかったわ」
「え?」
「だって最初のバスでの印象は最悪よ。危うく嫌いになるとこだったわ」
「あはは…まあ確かにね」
“優しい”
確かに颯太くんは凄く優しい。
でも、その優しさにはなんか気持ちが入ってないような…。
いや、むしろ冷たい…ような。
「冷たい?」
「うん、私の勘違いだと思うんだけどね。」